「受注は取れている。でも、なぜか伸び悩んでいる」 「ヒアリングはしているのに、お客様の心が掴めない」
営業をしていると、誰もが一度はぶつかる壁がある。そしてその壁は、たいてい「自分だけの悩み」ではなく「みんなが通る道」だ。
その「あるある」な壁を、物語形式でわかりやすく解いてくれる一冊が、今井晶也著『なぜ君はトップセールスになれないのか くすぶり営業パーソンを救う30の物語』だ。
著者の今井晶也氏は、営業支援で知られる株式会社セレブリックスの取締役 執行役員CMO。『Sales is』などの著書で累計10万部を超える、営業のプロフェッショナルだ。
物語で読むから、すっと入ってくる
本書は物語調の営業ビジネス書だ。主な登場人物は2人。
- 早川:成果に悩んでいる営業マン
- 村井:早川の先輩であり、会社のトップセールス
成果に悩む早川が壁にぶつかるたびに村井に相談し、ヒントを得て成長していく——そんな構成になっている。
全30ケースが【モヤモヤ編】【解決編】【解説】に分かれているので、読書が苦手な人でもスッと頭に入る。しかも悩むポイントが「多くの人がぶつかるあるあるな壁」なので、共感しながら読み進められるのが大きな魅力だ。
ここでは特に刺さった2つのケースを紹介する。
刺さったポイント①:ニーズの正体を突き止めろ
取引先からパソコン10台の一括受注を取った早川。安心していたところに、トップセールスの村井が通りかかってこう言う。
「直接、話を聞きに行った方がいいんじゃないか」
訳もわからず取引先に足を運ぶと、実は事務所の移転を検討していることが判明。話す中で、他の商品の入れ替えまで受注できることになった。村井に言われなければ、見えない失注がたくさんあったに違いない。
これは現場で本当によくある話だ。お客様の注文を額面通りに受け取ってしまう。 だからこそ、受注した段階で「なぜ、今それが必要なのか」と一歩踏み込んで聞くことで、見えないニーズが見えてくる。
ここで重要なのが顕在ニーズと潜在ニーズという考え方だ。お客様が口にする希望や条件、欲しいという商品が、必ずしも最適な商品とは限らない。お客様自身も気づいていないニーズを提案できたとき、初めてお客様の心は動き、「あなたに任せたい」と思ってもらえる存在になれる。
刺さったポイント②:ニーズに迫る「ヨコ・タテ・ナナメ」の質問
ヒアリングシートに沿って質問を重ねる早川。従業員数、管理方法、会議の頻度……当たり障りのない質問を続けるが、手応えがない。
帰社後、村井にシートを見せると一言。
「よく聞けているが、ヨコの質問ばかりだな」
本書ではヒアリングの質問を3種類に整理している。
- ヨコの質問=論点を探る質問
- タテの質問=顕在化している悩みの奥にある、課題発生の真因に近づく質問
- ナナメの質問=タテとヨコで現れた潜在的ニーズを「つまり、こういうことでしょうか?」と一本の線にまとめる質問
このナナメの質問こそが「ファクトファインディング」と呼ばれる技術だ。ここで核心を突くことができれば、ポイント①と同じく、お客様の心を掴む一言になる。
ただ質問を並べるのではなく、点と点を線で結ぶ。この差が、トップセールスと普通の営業を分けている。
悩めるすべての営業マンが手元に置きたい一冊
この本には、全営業マンが一度は悩むポイントが詰まっている。それを身近な物語と「先輩からの一言」という形で描いているので、教科書的な営業本より圧倒的に入ってきやすい。
まだ悩んでいない営業マンも、今まさに悩んでいる営業マンも、部下を育てる立場の先輩営業マンも、必読の一冊だと思う。
営業として成長したいなら、環境も選択肢に
この本を読んで「もっと営業がうまくなりたい」と感じたなら、それは素晴らしいことだ。営業という仕事に前向きに向き合えている証拠だ。
ただ一つ、考えてみてほしいことがある。今いる環境は、自分が営業として成長できる場所だろうか。
どれだけスキルを磨いても、それを正しく評価してくれる職場、自分のスタイルが活きる職場でなければ、努力が報われにくい。
20代で「営業職としてもっと成長したい」と思っているなら、営業職特化の転職エージェントを使うのも一つの手だ。イノセル株式会社は20代の営業職転職に特化したエージェントで、営業という仕事にこだわって環境を変えたい人に向いている。無料で相談できるので、自分の市場価値を知るために話を聞いてみるだけでもいい。
🔗20代の営業職への転職なら【イノセル】まとめ
- 物語形式(早川と村井のやり取り)で、営業の「あるある」な壁を解いてくれる一冊
- ニーズは額面通りに受け取らず「なぜ今それが必要か」を掘り下げる
- ヒアリングは「ヨコ・タテ・ナナメ」。点を線にするナナメの質問が核心
- 悩める営業マンも、部下を育てる先輩も手元に置きたい必読書
- スキルを磨くなら、それを活かせる環境選びも大切


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