昔の自分は「説明が上手い営業」が最強だと思っていました。
でも実際にお客様から選ばれていたのは、”商品説明が上手い人”ではありませんでした。
最近、本当に感じます。
ただ真面目に働くだけでは、簡単に選ばれない時代になったと。
安い商品は山ほどある。便利なサービスも溢れている。ネットを開けば比較も一瞬。
つまり今は「良いモノを売れば売れる時代」ではないんですよね。
藤村正宏著『やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!』は、そんな時代に”どうすれば人から選ばれるのか”を教えてくれる本でした。
昔の自分は、営業を「商品の良さを説明する仕事」だと思っていました。
だからスペックを覚えて、他社と比較して、条件を説明する。そんなことばかり頑張っていました。
でも正直、それだけではお客様の心は動きません。
なぜならお客様は「モノ」を買っているわけではないからです。
この記事では、
- なぜ商品説明が上手いだけでは売れないのか
- 「体験を売る」とは具体的にどういうことか
- 実際に営業現場でどう変えたら、どう変わったか
を、現役の不動産賃貸営業として書いていきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ! |
| 著者 | 藤村正宏 |
| 出版社 | 実業之日本社 |
| こんな人におすすめ | 営業で成果が伸び悩む人/価格競争に疲れた人/接客・販売の仕事をしている人 |
人は「商品を使った未来」にお金を払っている
この本で最も衝撃だったのが「スペックではなく、体験を売れ」という考え方です。
不動産の現場でも、まったく同じことが言えます。
お客様は「2LDK」や「駅徒歩5分」を買っているわけではありません。
本当に欲しいのは、
- 朝ゆっくりできる生活
- 子どもと安心して暮らせる空間
- 仕事終わりに落ち着ける部屋
こういう”その先の人生”なんですよね。
実際に、話し方を変えてみた結果
これに気づいてから、自分の営業はかなり変わりました。
以前は、こう説明していました。
「この物件は収納が広くて、キッチンも新しくて……」
今は、こう伝えるようにしています。
「ここなら、仕事終わりにかなり落ち着けそうですね」
伝えている情報量はむしろ減っています。でも、お客様の反応がまるで違う。
その人の生活をイメージして話すようになってから、「あなたから買いたいです」と言っていただけることが明らかに増えました。
スペックを並べていた頃は、比較検討の材料を提供しているだけだったんだと思います。でも今は、その部屋での暮らしを一緒に想像している。
同じ物件を案内していても、やっていることが根本的に違うんです。
「効率よく売る」より「また来てもらう」を考える
これはかなり今の時代らしい考え方だと思いました。
昔は「どれだけ早く売るか」が重視されていました。
でも今はモノが溢れすぎている。つまり「どこで買ってもそこまで変わらない」時代です。
では何で選ばれるのか。それが関係性なんだと思いました。
本書には「リピーターを増やせ」という話が何度も出てきます。
最初に読んだときは「綺麗事っぽいな」とも少し思いました。
でも実際に営業をやっていると分かります。本当に強い人は「売って終わり」ではありません。
- 定期的に連絡する
- 小さい相談に乗る
- 雑談を覚えている
- 相手をちゃんと見ている
こういうことを自然にやっている。
だから「またお願いしたい」になる。
賃貸の仕事をしていると、これは特に実感します。契約が終わったあとに連絡をくれるお客様、更新のときに「またお願いします」と言ってくれるお客様。そういう関係は、契約書には表れませんが確実に効いています。
人は「好きな人」から買う
これはかなりリアルです。
同じ商品でも、感じの悪い店員と信頼できる店員なら、後者から買いたくなりますよね。
しかも今は、Amazonでも楽天でも、情報だけならすぐ手に入ります。
だから逆に「誰から買うか」の価値がかなり上がっている。
この本を読んでから、自分は「どう売るか」より「どう関わるか」を意識するようになりました。
すると、お客様との会話も変わりました。
以前は「契約までどう持っていくか」ばかり考えていた。でも今は「この人にとって、本当に良い選択は何か」を考えるようになった。
不思議なんですが、その方が結果的に売れるんです。
これは営業だけでなく、人生にも同じことが言えると思いました。
「モノを売る時代」は、もう終わっているのかもしれない
ここはかなり危機感を持っています。
今後、AIはもっと増える。比較サイトも増える。価格競争も激しくなる。
つまり「安い」「高性能」だけでは、かなり厳しくなる。
でも逆に「この人から買いたい」は、簡単にAI化されません。
だからこれからの時代は、
- 人間理解
- 関係性
- 共感力
- 体験設計
が重要になると思いました。
この本は、実は営業マンだけの本ではありません。接客、SNS、ブログ、YouTube、就活——すべてに繋がっています。
実際、こうしてブログを書いている自分も「記事を書く」ではなく「読んだ後に何を感じてもらうか」を考えるようになりました。
それだけで、文章はかなり変わります。
「体験を売る営業」ができる環境かどうか
ここからが、この記事で一番伝えたいことです。
この本を読んで「自分も体験を売る営業がしたい」と思ったなら、一つだけ確認してほしいことがあります。
今の環境は、それができる環境ですか。
正直に言うと、営業の会社によって、できることは大きく違います。
- 1日の訪問件数だけで評価される会社
- 短期の数字しか見ない会社
- 「関係構築」より「即決」を求められる会社
こういう環境では、どれだけこの本の考え方を身につけても、活かしきれません。
逆に、じっくり顧客と向き合うことを是とする会社なら、同じ努力が何倍にもなります。
「営業に向いてない」のではなく「環境が合っていない」だけかもしれない
私は自動車ディーラーの営業から、不動産賃貸仲介の営業に転職しました。
どちらも楽しかったのですが、求められるものはまったく違いました。
- ディーラー:自分で見込み客を作る新規開拓型。行動量が評価される
- 不動産賃貸:来店したお客様に向き合う反響型。ヒアリング力が評価される
この本の言う「体験を売る」「関係性を作る」という考え方は、後者でより活きています。
もし今、営業がしんどい・成果が出ないと感じているなら、それはあなたの能力の問題ではなく、評価される軸が自分の強みと合っていないだけかもしれません。
とはいえ、求人票には「その会社がどんな営業スタイルか」までは書かれていないことがほとんどです。
そこで頼りになるのが、営業職に特化した転職エージェントです。エージェント経由なら、面接前に企業の営業スタイルや評価制度を確認してもらえます。
イノセル株式会社は、20代の営業職転職に特化したエージェントです。営業という仕事にこだわってキャリアを作りたい人に向いています。
転職するかどうかは、話を聞いてから決めればいい。相談は無料なので、まず自分に合う営業の形を知るところから始めてみてください。
まとめ
- お客様が買っているのは「モノ」ではなく「その先の人生」
- スペック説明より、その人の生活をイメージして話す
- モノが溢れた時代に選ばれるのは「関係性」を作れる人
- 「誰から買うか」の価値は、これからさらに上がる
- ただし、その営業ができる環境かどうかも同じくらい大事
『やっぱり!「モノ」を売るな!「体験」を売れ!』は「売れる営業テクニック本」ではありません。
でも「これからの時代に選ばれる人」の考え方を、かなりリアルに教えてくれる本です。
読んで何より感じたのは、人は”モノ”ではなく”未来の感情”にお金を払っているということでした。
もし今、営業がしんどい・売れない・自信がない・何か変えたい、そんな気持ちがあるなら、一度読んでみてほしいです。
読み終わったあと、”売る”という言葉の意味が少し変わるかもしれません。
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