「小さなイエスを重ねろ」「雑談で距離を縮めろ」「オウム返しで共感を示せ」
営業本には、こういう技術がよく書かれています。
確かに間違ってはいない。でも現場で試すと「なんか違う」と感じることが多かった。お客様によっては、逆効果になることすらありました。
そんなモヤモヤを抱えていたときに読んだのが、宋世羅著『ヨイショする営業マンは全員アホ』です。
著者の宋世羅氏は、野村證券やフルコミッションの保険会社で実績を積んできた叩き上げの営業マン。現在はYouTubeでも営業や仕事論を発信しています。
本書には、きれいごとではなく「実際に使えた」技術が詰まっています。

この記事では、
- この本が他の営業本と何が違うのか
- 営業マンの存在意義4つ(ここが最重要)
- 現場で試して効果があったキラーフレーズ3つ
- どんな営業スタイルの人に向いている本なのか
を、営業会社2社を経験した現役営業マンの目線で解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | ヨイショする営業マンは全員アホ |
| 著者 | 宋世羅 |
| 著者の経歴 | 野村證券→フルコミッションの保険営業 |
| こんな人におすすめ | 営業本の内容が刺さらない人 新規開拓・提案営業の人 |
『ヨイショする営業マンは全員アホ』はどんな本?
タイトルがかなり攻めていますが、内容は極めて実践的です。
一言で言えば、きれいごとを排除した営業書。
一般的な営業本に書かれている「小さなイエスを積み重ねる」「とにかく雑談で距離を縮める」といった手法に対して、著者は明確に疑問を投げかけます。
じゃあ、どうすればいいのか。
その答えが、証券と保険という日本で最も厳しいと言われる営業現場で培われた技術として書かれています。
だから読んでいて説得力があります。理論ではなく、実際に使って結果が出たものだけが書かれている感覚です。

営業マンの存在意義は4つある|本書の最重要ポイント
この本で最も刺さったのが、営業マンの存在意義についての整理です。
- お客様が知らない知識・情報を与える
- お客様が持っている知識・情報を確認する
- お客様が気づいていない考え方やニーズを掘り起こす
- お客様の背中を押す
この4つを読んで、営業への向き合い方がガラッと変わりました。
特に③と④です。
それまで私は「お客様のニーズを聞き出す」ことばかり考えていました。ヒアリングして、要望を引き出して、それに合うものを提案する。
でも本書を読んで気づきました。
「こうじゃないですか?」と、こちらから核心を突く。
これをやると、お客様は納得して動いてくれる。しかも押し売りにならない。むしろ「この人は分かってくれている」という信頼になる。
実践してから、契約後のクレームや再商談が明らかに減りました。
ニーズは聞き出すのではなく、言語化してあげる。ここが決定的な違いでした。

現場で使える営業フレーズ3つ|実際に試した効果
本書には「超使える営業キラーフレーズ」の章があります。
実際に現場で試したので、効果とあわせて紹介します。
1.「私がもしお客様の立場なら」
効果:警戒心が溶ける
このフレーズを使うと、対営業マンという感覚が薄れます。友達感覚で話を聞いてもらえるようになる。
営業と客という対立構造から、同じ側に立つ感覚に変わるんだと思います。
2.「単純にもったいない話ですけどね」
効果:検討をやめかけたお客様への巻き返し
人は「得したい」より「損したくない」の方が強い。この心理に直接効きます。
購入をやめようとなっているとき、押すのではなくこの一言を挟む。すると考え直してくれることが増えました。
3.「今、○○の部分で悩んでますよね」
効果:商談決定率が上がる
お客様は、初めて知ることが多い状態で決断を迫られています。だから決められない。
そこで、頭の中を整理してあげる。何に迷っているのかを言語化する。
これを始めてから、商談決定率が上がり、再商談のケースが減りました。
信じてもらえるか分かりませんが、本当に面白いくらい変わります。
誰が読むべき本か|合う営業・合わない営業
ここは正直に書いておきます。
この本はとても実践的です。でも読み進めるうちに、あることに気づきました。
これは訪問営業・新規開拓がベースの本だ。
著者は野村證券と保険の営業。どちらも自分で見込み客を作りに行くスタイルです。
だから本書の技術は、そのスタイルで最も効果を発揮します。

特に向いているのはこんな人
- 新規開拓の営業をしている
- 高単価商材を扱っている
- 提案型の営業をしている
- お客様の背中を押す場面が多い
逆に、そのままは使いにくい場合も
たとえば、単価が低くその場で決まる商談や、すでに購入意欲の高いお客様への対応が中心の場合、ここまでの技術が必要ない場面もあります。
ただし「ニーズを言語化する」という本質は、どのスタイルでも通用します。
そして実は、この「営業スタイルの違い」こそが、私が転職して一番痛感したことでした。

営業の種類は4つ|同じ「営業職」でも全然違う
私は国産ディーラーの営業から、不動産賃貸仲介の営業に転職しました。
どちらも楽しかったです。でも、やっていることはまるで別の仕事でした。
ディーラー営業は「見込みを自分で作る」仕事です。飛び込み、DM、イベント集客。お客様との接点を、一から作り出す必要があります。
不動産賃貸仲介は「来店したお客様を、いかに効率よく契約に繋げるか」がメインです。いわゆる反響営業ですね。
どちらが優れているという話ではありません。スタイルが違うだけです。
営業スタイルは、大きく4つに分けられます。
| 営業スタイル | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 新規開拓 | 自分で見込み客を作る | 断られても切り替えられる人 |
| 反響営業 | 問い合わせ・来店に対応 | 話を聞き出すのが得意な人 |
| ルート営業 | 既存顧客をまわる | 関係を長く育てられる人 |
| 法人・提案営業 | 課題解決型の提案 | 論理的に組み立てられる人 |
同じ「営業職」という求人でも、中身はこれだけ違います。そして評価される能力もまったく違う。
ちなみに『ヨイショする営業マンは全員アホ』が最も活きるのは、上の表で言う「新規開拓」と「法人・提案営業」です。
営業職への転職前に確認すべき3つのこと
もし今、営業職への転職を考えているなら。あるいは今の営業から別の営業に移りたいと思っているなら。
求人票のタイトルだけで判断しないでください。
確認してほしいのは、この3点です。
- 新規開拓なのか、反響対応なのか
- 個人向けなのか、法人向けなのか
- 訪問ありなのか、完全インサイドなのか
これを事前に確認するだけで、転職後に「なんか違う」となる確率が大きく下がります。
でも問題があります。
求人票には、そこまで詳しく書かれていないことがほとんどなんです。
「営業職/未経験歓迎/年収300〜500万円」——これだけでは、どのスタイルか分かりません。
面接前に営業スタイルを確認する方法
そこで頼りになるのが、転職エージェントです。
エージェントなら、面接前に企業の営業スタイルを確認してもらえます。しかも無料です。
自分で企業に「御社はどんな営業スタイルですか」と聞くのは気が引けますが、エージェント経由なら普通に確認してもらえる。ここが一番大きいと思います。
第二新卒エージェントneoは、20代の第二新卒・既卒・フリーター・高卒・中退の就職支援に特化したエージェントです。
- 初回面談は最大2時間。じっくり話を聞いて、強みを一緒に掘り下げてくれる
- アドバイザー全員が20代で転職を経験している
- 未経験からの支援実績1万人以上
- 完全無料。WEB面談ならスマホ一つで自宅から相談できる
「学歴や職歴に自信がない」「営業に興味はあるけど不安」——そんな段階でも相談できます。
私が転職前にこの視点を持っていたら、もっとスムーズに動けたと思います。同じ後悔をしてほしくないので、ぜひ確認してから決めてください。
サービスの詳細はこちらの記事で解説しています。
▶第二新卒エージェントneoとは?|経歴に自信がない20代にすすめる理由を転職経験者が解説
よくある質問
Q. 営業未経験でも読めますか?
読めます。専門用語はほとんど出てきません。ただし内容が実践的なので、営業を始めてから読み返すとさらに理解が深まります。
Q. YouTubeを見ていれば本は不要ですか?
本の方が体系的にまとまっています。YouTubeは単発のテーマが中心ですが、本は「営業マンの存在意義」から順に整理されているので、全体像を掴むなら本がおすすめです。
Q. 他の営業本とどう違いますか?
一般的な営業本が「こうすべき」を並べるのに対し、本書は「それは現場で通用しない」から入ります。理想論ではなく、実際に使えたものだけが書かれているのが最大の違いです。
まとめ
- 営業マンの存在意義は4つ。特に「気づいていないニーズを掘り起こす」が重要
- ニーズは聞き出すのではなく、こちらから言語化してあげる
- キラーフレーズは実際に効く。ただし新規開拓・提案営業がベースの技術
- 営業は形態によってまるで別の仕事になる
- 転職前に「どんな営業スタイルか」を必ず確認する
『ヨイショする営業マンは全員アホ』は、きれいごとを排した実践的な営業書です。
そして同時に「営業にはスタイルがある」ということを、強く意識させてくれた一冊でもありました。
営業職を検討しているなら、この本を読んだうえで「自分はどのスタイルが合いそうか」を考えてみてほしいです。
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